2008年09月24日 (水) | 編集 |
![]() | しゃばけ (新潮文庫) 畠中 恵 新潮社 2004-03 by G-Tools |
江戸有数の廻船問屋の一人息子・一太郎。
身体が弱くて外出もままならない彼が、たまたま家を抜け出した帰り道に人殺しを目撃した。
以来、不可解な殺人が続き、一太郎は家族同様に暮らす妖怪と解決に乗り出す。
一太郎の周りは何故か妖怪だらけなのだ。
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テレビドラマを見たのがこの本を手にとったきっかけでした。
NEWSの手越君演じる若旦那・一太郎はなかなか声にインパクトがあって今だに忘れられません。
というより手越君を見ると若旦那が浮かんで困ります(^^;)
ドラマは確か途中から見たのでお話がイマイチ掴みきれなかったのですが、これでようやく内容が把握出来ました。
舞台は江戸時代。
どこにでも描かれている普通の江戸の町ですが、妖怪がそこここに出てくるので一風変わった感じがします。
良家のボンボンで身体が弱い為に過保護に育てられた一太郎は、もうそのひ弱さがとてもよくわかるんですよ(笑)
でも実はかなり芯の強い男なのです。
そしてその一太郎の世話を焼いているのが、これまた強そうな妖怪二人(普段は店の手代)。
普通の人には見えない妖怪達が一太郎には友達みたいなもので、人間と妖怪が共存しているとう不思議なのか懐かしいのか判断つきかねる世界が広がりました。
が、物語は猟奇殺人という物騒な内容です。
その謎解きに一太郎が乗り出すわけですが、どうやら相手は妖怪で、それも性質が悪い。
でもその原因を作ったのは紛れもなく人間なんだろうなぁとは思います。
弱々しい一太郎が実は意外としっかり者で、少しずつその強さを発揮していく過程は何だか楽しかったです。
一太郎にとっては衝撃的な真実も見えてきてしまうわけですが、思ったよりどーんと乗り切ったようだし。
花のお江戸の隠れた世界を垣間見た感じです。
妖怪がホントにいるのなら、の話ですけどね。
こういう世界も良いのでは?
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2008/09/24 22:36 | その他(は行) | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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2008年06月17日 (火) | 編集 |
![]() | MOMENT (集英社文庫) 本多 孝好 集英社 2005-09 by G-Tools |
病院で掃除のバイトをしている大学生の神田。
その病院では、死を間近にした患者の願い事をかなえてくれる仕事人がいるとの噂が流れていた。
末期患者の願いを聞き届けたことから、神田の元には患者達の最後の願いが寄せられるようになり、神田は密かに仕事人としてその願いをかなえる。
人は人生の終わりに何を想うのか・・・。
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死を目前にした患者の願いを叶えるという、ちょっと重そうな内容の本でしたが、主人公の神田が淡々としているせいか、あまり重いという印象は残りませんでした。
自分が間もなく死ぬだろうことを予期している患者達。
最後に一つだけ願いをかなえてくれる仕事人がいるという噂は、もう助からない患者にしか伝わらないといいます。
元々の噂は黒衣の仕事人。
けれど神田がある女性患者の願いを叶えたことから、いつしか仕事人は掃除夫に変わりました。
この神田君、最初に願いを叶えた女性に報酬を多く貰いすぎ、女性が死んでしまったのでそれを返済することも出来ないので、その報酬分を他の患者の願いを叶えることで埋め合わせしようとして仕事人を始めた律儀な青年です。
そのくせどこかドライで、やってくる死を当然のように見つめています。
確かに他人事ではあるのですがあまりに冷静。
なのに願いを叶える為にかなり必死に奔走します。
こういう彼の方が、もしかしたら周囲も不安にならずにいられるのかもしれません。
良くわかんないけど・・・好感を持てる青年です。
最後の方では元々の仕事人が姿を表します。
黒衣の仕事人が聞いてくれる最後の願い事。
黒衣の仕事人がやっていることは良いこととは思えないけれど、ホントにそう?と疑問を投げかけられたら悩むかもしれない・・・。
この頃には神田君は少し変わりました。
きっと良い変化なのだと思います。
『やがて死んでいく人間なんてどこにもいはしない。
そこにはただ、今を生きている人間がいるだけだ。』
これはとても心に残る一文でした。
私はどんなに考えてみても「死」というものが怖いです。
いつか必ず直面するものだとわかっていてもやっぱり怖くてたまらない。
だけどこの言葉を覚えていられたら良いな、と思います。
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2008/06/17 22:45 | その他(は行) | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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2008年04月07日 (月) | 編集 |
![]() | 地球から来た男 (角川文庫 ほ 3-7) 星 新一 角川書店 2007-06 by G-Tools |
産業スパイとしてとある研究所にもぐりこんだ男。
しかしあっけなく捕まってしまい、開発途中で放置されてたテレポーテーション装置で地球外に追放されてしまった。
追放された先は地球そっくりで・・・。
奇妙な運命に翻弄される男達のショートショート集。
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星新一さんの作品は中学高校の頃、何冊か読んだ記憶があります。
ショートショートなので読みやすかったし、内容がとても斬新だという印象を持っていました。
その印象は、あれから何年も経った今読んでもあまり変わりません。
例えばこの本も(文庫の?)初版は昭和58年。
それなのにあまり古臭い感じがしないんですよね。
星さんの作品は近未来をえがいたSFのようでもあり、社会風刺のようでもあり、とにかく色んな視点からストーリーを作っている感じがします。
そのくせ悪魔とか死神とかの古風なイメージのものも登場します。
バラエティに富んでいるといえるのかもしれませんね(笑)
だけどいつも心の隅で思うのは、少し怖いな、ということ。
もちろんそうでないお話もたくさんあるのですが、日々進歩していく人間社会の落とし穴みないたものや、合理主義に果てにやってくるもの、そんなものを見せられている気分。
夢のあるお話のようでいて、どこかに寂しさを残していたり。
不思議ですよね。
ロマンティックでリアルなショートショートです。
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2008/04/07 23:24 | その他(は行) | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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