読書の記録と雑談
VOICE/市川拓司
2007年10月22日 (月) | 編集 |
4434084429VOICE (アルファポリス文庫)
市川 拓司
アルファポリス 2006-10

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高校生の悟は隣のクラスの裕子の心の声を聞くという体験をする。
その後出会った二人はお互いに惹かれあうようになった。
しかし悟は病気を抱えることになり、東京の女子大に進学した裕子とは距離が出来ていく。
それでも心は強く結びついていたが、自分の世界を広げつつある裕子の心の声が聞こえるということが悟を苦しめていった。


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好きな作品のひとつになりました。
けれど最初からとても哀しい空気を漂わせた作品で、その空気は最後まで変わることがなかったように思います。
何か哀しいことがこの先起こるのだとわかっていて、それに向かって読み進めていくという感じ。
とにかく今までに体験したことのない感覚で読みました。

悟と裕子は互いに強く惹かれあって付き合い始めた恋人同士です。
そして悟は裕子の心の声を聞くことが出来ます。
病気を抱えて受験に失敗した悟は地元に残り、女子大に進学した裕子は東京へ。
それぞれが違う環境に身を置くわけですが、それでも二人の心は深く繋がっていました。
彼等は一途にお互いを想っているんです。
それなのに何かが上手く噛みあわず、とうとう別れることになるのですが、お互い相手を嫌いになっての別れではないのがかえって切なかったですね。

自分の病気で精一杯だった悟はそこに裕子を巻き込みたくなかった。
裕子は悟の重荷になりたくなかった。
二人ともまだ相手を一番愛しているというのに。

こういう別れってホントに切ないです。
本音を言ってしまえば道は別方向に開けるかもしれないのに、って思います。
ラストは最初から何となくわかっているのに、それでも期待する気持ちを捨てられないまま読み終わりました。
良い意味でリアル感のないお話だったと思います。
透明なお話でした。

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2007/10/22 23:56 | その他(あ行) | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
かまいたち/宮部みゆき
2007年10月15日 (月) | 編集 |
410136916Xかまいたち (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社 1996-09

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江戸市中を騒がす正体不明の辻斬り「かまいたち」。
ある晩、町医者の娘おようは辻斬りの現場を目撃するが、死体が消えてしまった為誰もおようの話を信じてくれない。
やがて自ら証拠を探そうとするおようの家の前に越してきたのは、かまいたち本人だった。

表題作他全4編。

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宮部さんは好きな作家さんの一人です。
このブログを作る前に何冊か読んでいますがどれも面白かったですね。
でも時代小説を読んだのはこれが初めてでした。
時代背景は違っていても登場人物達がとてもリアルに動き回ってくれるので楽しめます。

「かまいたち」は辻斬りの現場を目撃してしまったおようのお話。
何人もの人物がおようの周りにいますが、おようが全く疑っていない人達が実はとても危険人物だったりします。
ちっともそれに気付かないおようにハラハラしました。
でも最後には、これに恋物語が続けば良いのに、と思ってしまいました(^^)
新吉さん、タイプだわ〜(笑)

「師走の客」は詐欺のお話。
人間どんなに誠実に生きていても、災難が来る時は来るんですね。
たまたまちょっと欲を出してしまったばかりに騙されてしまった老夫婦が気の毒でした。
でも最後に救いがあったので良かったですけど。

「迷い鳩」「騒ぐ刀」はある時から霊能力を持ってしまったお初のお話です。
岡っ引きの長兄・六蔵、庭師の次兄・直次と共に事件を解決していきます。
この本を手にとった理由はこの作品が目的でした。
実はこのお初を主人公とした物語は某雑誌に漫画で掲載されています。
もちろん宮部さんの原作で漫画化されたものです。
私はそちらを先に読んでしまいました(笑)
だから頭の中ではその漫画のキャラクターの姿のまま登場人物達が動き回っています。

いつの世にも霊的な事件というのはあるものなのでしょうか。
たまたま普通の人には見えないものが見え、聞こえない声が聞こえるようになってしまったがために、怖くても何でもお初はそれに立ち向かっていかなくてはなりません。
怯えているだけではなくその力を世の為に生かそうとするお初は強くて優しい女性ですよね。
・・・私はそんな力欲しくはないけど(^^;)
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2007/10/15 00:00 | 宮部みゆき | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
真夜中のマーチ/奥田英朗
2007年10月03日 (水) | 編集 |
4087460959真夜中のマーチ (集英社文庫)
奥田 英朗
集英社 2006-11

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ヨコケンが自ら仕込んだパーティーで出会ったミタゾウ。
大企業の御曹司だと思い込み罠を仕掛けたが失敗。
結果、ヤクザのフルテツを怒らせ愛車を奪われる。
そのフルテツから大金を強奪しようと目論むヨコケンとミタゾウだったが、謎の美女・クロチェに邪魔された。
が、それぞれの思惑を胸に3人は手を組むことになる。
ターゲットは10億円。


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出会い系パーティーから始まったこの物語は、最初は何だか不穏な感じがして、しまったーと思いました。
パーティーの主催者であるヨコケン(横山健司)は金儲けの為に裏で悪巧みをする男です。
おまけにヤクザとも絡んでいるとなれば・・・そのテの話かと思うでしょ(笑)
そして狙われたのがミタゾウ(三田総一郎)。
大企業である三田物産に勤める三田君。
当然御曹司だと思って狙いをつけてみるが、実は三田物産に勤めているだけのダメ社員。
この二人が色々あった末、一緒に現金強奪をたくらみます。
ヤクザのお金を盗もうなんて凄い度胸(笑)
ところがことごとく邪魔をするのがクロチェ(黒川千恵)。
といってもヤクザとは全く無関係のお嬢様。

この環境も性格も全く違う3人が同じ目的の為に手を組むことになります。
最初はシリゴミしていたこの物語も、だんだんとドタバタ感が面白くなってきました。
計画は完璧なのに何故か思いとおりにいきません。
10億円を狙っていたのはヨコケン達だけではなかったんです。
騙し騙されで大騒ぎ。
だけど誰一人正義じゃないんですよね。
警察に捕まったとしたら間違いなく全員有罪。
ついでに皆が狙っているお金もキレイなものではありません。
こんな追いかけっこもあるんだな、って感じです。

この強奪戦と同時に3人それぞれの人生も語られていきました。
やっていることは良いこととはいえないけれど、仲間と一緒に走り回るうちに彼等の団結力も深まり、心境にも変化が現れた気がします。
結局誰が得をしたのかわかりませんが、結果オーライだったのではないかと思いました。

奥田さんの作品を読むのはこれが初めてでしたが、ちょっと興味が沸きました。
是非他の作品も読んでみたいです。
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2007/10/03 23:45 | 奥田英朗 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲