読書の記録と雑談
イン・ザ・プール/奥田英朗
2008年01月31日 (木) | 編集 |
416771101Xイン・ザ・プール (文春文庫)
奥田 英朗
文藝春秋 2006-03-10

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伊良部総合病院の地下にある神経科。
「いらっしゃ〜い」という甲高い声で迎えてくれるのは精神科医の伊良部一郎。
色白で太ったこの医者の治療方法はとても変だった。
伊良部は名医なのかヤブ医者なのか?


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伊良部総合病院神経科の医者である伊良部一郎。
病院の跡取り息子で超お金持ち。
だけど色白で太ったこの男はマザコンでかなり変人。
ついでに注射フェチ。
お金はあってもお付き合いするのはちょっと・・・と思ってしまいそうな男なのですが、読んでいくうちにだんだん憎めなくなってくるキャラクターです。

神経科のドアをくぐる患者達は、それぞれに深刻な悩みを抱えています。
精神的に苦しんでいるその患者達を治療する伊良部の行動は愉快なほどに変わっていました。
とにかく常識が通用しない感じです。
プール依存症の患者が来れば、一緒になってプールに通いつめ、患者以上に夢中になるし、ストーカーに追われていると思い込んだ妄想壁の女性には下心丸出し。
通常行うであろうカウンセリングなんか全くバカにしています。
そして患者は必ず通院させ、訳も無く注射を打つという注射フェチ。
だけどカウンセリングなんかしなくても、悩みを聞いてもらえるだけで気が楽になるのか患者達はきちんと通院してきます。
伊良部は治療というよりは患者達と一緒になって楽しんでいる感じですね。
とにかく自分が他人に良く思われたいとか、やりたいことを我慢しようとか、そんなことは全く考えていない男です。
ホント、潔いくらい(笑)
だけどこの破天荒な医者は、必ず患者達を治してしまうんですよ。
患者のカルテだけで症状は把握してしまっているようだし、一見こいつバカか?と思うのですが、病気の原因もどうすれば治療できるかも全部承知していることが、ふとした会話の中に出てきます。
やることなすこと子供じみていたりオタクっぽかったりと思い切り変人なんですけどね。
利口なのか馬鹿なのか、名医なのかヤブ医者なのか、どう考えてもわかりません。
どの要素も持っています。
患者達の精神が落ち着きをとりもどし悩みから解消されるまで、いえ、その後もずっと、やっぱり伊良部は変人のままなんです。
患者達には申し訳ないのですが、伊良部がどんな行動をしてくるのか、とても楽しみに読みました。

それにしても、現代社会にはストレスが多いですよね。
自分は平気だと思っていても必ずストレスは受けているのではないかと思います。
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2008/01/31 00:00 | 奥田英朗 | Comment (2) Trackback (0) | Top▲
無辺世界/銀色夏生
2008年01月22日 (火) | 編集 |
4101434247無辺世界 (新潮文庫)
銀色 夏生
新潮社 2006-12

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詩、物語、小説、イラスト・・・。
銀色夏生の初期作品集。


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・・・とっても簡単な作品紹介になってしまいましたが(↑)、この作品集をどう紹介してよいやらわかりません(^^;)

銀色夏生さんのお名前はもちろん良く知っていましたし、とても人気のある詩人、というイメージを持っていました。
でも作品を手にとったのはこれが初めてです。
「詩集」というものにちょっと苦手意識があったので。

少しだけイメージが変わりました。
この作品集は初期のもので、それもほんの一部でしょうからまだ良くわかりませんが、こういう作品を書くんだなーと、意外な感じです。

最初の方は、やっぱり少し読み難い感じがしました。
私が慣れていないというせいもあるのでしょうけど、理解が追いつかないのです(TT)
遠回しなメッセージが私は苦手でして(^^;)
その言葉の中にどんなメッセージが隠されているのかなんてよくわかりません。
きっと意味深いことを伝えてくれているのでしょうけど・・・もっとストレートに言って欲しいタイプなんですね、私。
詩人さんというのはこういう感じが多いので、苦手意識を持ってしまったんだろうと思います。

後半は物語風のものが多くて、そちらはそれなりに楽しめました。
童話に近い感じでしたけどね。
この辺は私にも理解できるものが多くて助かりました(笑)

色んなことを知って、経験して・・・そうしてまたいつか読み返せば、きっと理解出来ることが増えているような気がします。


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2008/01/22 00:00 | その他(か行) | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
僕は妹に恋をする
2008年01月19日 (土) | 編集 |
4094080325小学館文庫 僕は妹に恋をする (小学館文庫)
橋口 いくよ 映画製作委員会
小学館 2006-12-07

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二卵性双生児の兄妹、頼と郁。
出来の良い頼とドジな郁の距離は成長と共に離れていくように思えたが、頼は郁を愛し始めていた。
頼の気持ちを知り、戸惑いながらも受け入れる郁。
禁忌を犯した兄妹を待ち受けるものとは・・・。


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昔テレビで映画の一部をちらっと見て、面白そうだと思っていたお話でした。
この本はノベライズだとは思わずに購入したのですが、ちょっと失敗だったかな。
内容がつまらないというのではなく、原作で読めばよかったということです。
原作がコミックスだったというのは正直頭になかったので。
もしくは、映画で見れば良かったです(^^;)
一部と二部に分かれていて、一部は映画版のノベライズ、二部はコミックのノベライズになっています。
やっぱりね・・・ちょっと薄っぺらい印象が残りました。
勿体無いと思います。
まあ、最初から普通に小説になっていたらかなりドロドロなのかもしれませんが(^^;)

兄妹の禁断の恋。
私にはあまり想像がつきませんが、客観的に考えれば、男女なのだから相手を好きになることもあるかもしれないとは思います。
他人だからとか、そんな理由で誰かを好きになるのではない筈ですよね。
だったらこういうケースもあると思うのですが、生き物って本能でそういうのコントロールしちゃてるんですかね?
でも、じゃあ頼と郁の恋が正しいかと言われれば、私は同意は出来ないかも。
う〜ん・・・こればっかりは当事者でないと何とも言えないですよね。

二人は悩みながら少しずつ成長していきました。
特に頼はとても大人になったと思います。
郁は・・・お子様過ぎな感じがしました。
彼女が大人になったと思うのは、やっぱり頼と離れてからかもしれません。

しかし、この結末はハッピーエンドなのだろうか?
確かに運命かもしれないけど、君らこの先どうするの?と思わずにはいられません(^^;)
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2008/01/19 00:00 | ノベライズ | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
クレオパトラの夢/恩田陸
2008年01月17日 (木) | 編集 |
4575511129クレオパトラの夢 (双葉文庫)
恩田 陸
双葉社 2006-12

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容姿端麗で非凡な才能を持ち、女言葉を話す神原恵弥。
その彼が双子の妹を連れ戻す為に北国のH市に向かったが、もう一つ、重大な目的を持っていた。
それはH市と関係がありるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。
人々の思惑や駆け引きの交錯する中、恵弥は何を知ったのか。


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舞台はH市。
静かで時間がゆっくり流れている町。
そして、冬の寒さが痛いほど伝わってきました。
相変わらず恩田さんの表現力は素晴らしいと思います。
H市・・・行ったことないんですよねぇ。
H山の夜景はとんでもなく綺麗らしいらしいので一度は行ってみたい場所です。

不倫相手を追いかけた双子の妹・和見を東京に連れ戻す為に恵弥はH市に向かいます。
それも目的だったのは確かですが、彼には他にもう一つ目的がありました。
それは「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。
H市にあり、妹の不倫相手・若槻も関係しているらしいのですが、それは密かに探さなくてはなりません。
それなのに恵弥の周りには色んな人がうろうろ。
次々と出てくる謎。
謎を解けばまた次の謎が出てきたり、違う答えが見つかったりで、いったい何回真実を掴み損ねたやら(笑)
真剣に読んでいたつもりですが、読み終わってから、クレオパトラって何だっけ?という疑問が出てきてしまって焦りました。
とりあえず一応の結論は出ていたと思うのですがその記憶が数々の謎に翻弄されて混乱してしまったようです。
答えを探して読み返してしまいました。
でも結局のところ、真実ってわかってないんですよね。
確信に近い憶測、みたいな感じだったような気がします。

当たり前に暮らしている日常のどこに危険が潜んでいるかわからないものですね。
・・・そんな気がしました。
日常の陰には何があるかわからないのかも。

そして、謎だらけのこの物語の主人公・神原恵弥。
ルックスも才能も抜群の男なのに女性の言葉で喋ります。
オネエ言葉ですよね、俗に言う(笑)
だけどこの彼がとんでもなく魅力的な人物です。
寒さに弱いというのが原因か、実の妹が関わっていたのが原因なのかはわかりませんが、今回は随分振り回されていた感じがしましたけど(^^;)
こういう人が友達だったら楽しいだろうなー。
でも私のようなぼんやりな女では太刀打ちできないかもしれません(その可能性の方が大きい)
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2008/01/17 23:26 | 恩田陸 | Comment (2) Trackback (0) | Top▲
十津川警部の試練/西村京太郎
2008年01月10日 (木) | 編集 |
4334731988十津川警部の試練 (光文社文庫)
西村 京太郎
光文社 2001-09

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一人暮らしの女性を狙った連続殺人事件。
女性達がバスローブやパジャマ姿で犯人を自宅に入れているのは何故か?
そしてこの事件の捜査進行状況が全てマスコミに漏れているのは?
「午後の悪魔」他3編。


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この本に収録されている4編のうち3編までが、警察という職業に携わっている人が関わる事件でした。
身近な人々を疑わなくてはいけない、というのがタイトルの十津川警部の試練・・・だったのかもしれません。
どの犯人にも同情の余地はほとんどないと思いますが、関係者というだけで公にされず秘密裏になっていく真実もあることには少し不満を感じます。
まあ、だからといって誰かを責めたいとか思っているわけではないんですけどね。
どの事件も、何かやりきれないものを抱えた事件だったように思います。

解説には何やら難しいことが書いてありましたが、この方の作品は色々深読みせずに読んだほうが楽しいのではないかなーという気がしました。
展開は気になります。
この後どうなっていくんだろうって。
だから読了も早いのですが、印象は通り過ぎていく感じなんですよね(^^;)
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2008/01/10 00:12 | 西村京太郎 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲