読書の記録と雑談
グラスホッパー/伊坂幸太郎
2008年06月26日 (木) | 編集 |
404384901Xグラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
伊坂 幸太郎
角川書店 2007-06

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妻を殺した男に復讐をするために、非合法的な商売をしていると知りながら「フロイライン(令嬢)」にもぐりこんだ鈴木。
ところが鈴木の目の前で標的としていた男が車に轢かれてしまった。
どうやら「押し屋」と呼ばれる男の仕業らしい。
鈴木は正体を探るために押し屋の後を追う。

一方、それぞれの思惑を胸に、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの殺し屋・蝉も押し屋を追い始めた。


++++++++++

知り合いでもなければ目的もバラバラな3人の男が、一人の「押し屋」を追いかけるという物語。
最初は本当にバラバラなところからスタートした3人が徐々に近付いていく展開がとても面白かったです。

きっかけは、フロイラインという会社の社長・寺原の長男が「押し屋」に殺されたこと。
この会社は悪どい商売をしている会社で、人殺しなども平気でやります。
業界(殺し屋の間にも業界があるらしい)でも嫌われ者で、恨みを持っている人間はたくさんいました。
誰かが「押し屋」に殺しを依頼したということです。

「鈴木」は元教師ですが、寺原長男に妻を殺され、復讐の為に寺原に近付いていました。
けれど目の前で寺原が押し屋によって殺されてしまい、その正体を突き止めようと押し屋を追いかけます。

「鯨」は自殺専門の殺し屋。
妙な力があるのかわかりませんが、彼に睨まれるとみんな死ぬ気になってしまうらしいです。
けれど死に追いやった人間の幻覚に苦しめられてもいました。
この仕事から足を洗うために全てを清算しようとした鯨は、現在自分にかかわっている人を全て排除しようとします。
そうしていくうちに押し屋に繋がり、過去に押し屋にターゲットを横取りされた経験もあって、鯨は押し屋を殺して終わりにしようと、押し屋を追い始めました。

「蝉」はナイフ使いで、岩西という上司の指示で殺しをしていました。
が、岩西のいいなりになっている自分に疑問を持ち始め、そんな時に寺原長男が押し屋に殺された話を耳にします。
会社をあげて押し屋を探していると知り、自分が押し屋を殺すことで名をあげて岩西から自由になろうとした蝉も押し屋を追い始めました。

3人がそれぞれに押し屋を追い、接近していきます。
鈴木は押し屋と接触して確信を持っているのですが、確認できないまま殺し屋達の殺し合いに巻き込まれていきました。
鈴木以外みんな殺し屋という恐ろしい設定ですが(^^;)彼らがどうやって接点を持ち、誰が勝つのかという妙な好奇心が出てきてしまいます。
この話の設定の仕方はとても面白くて上手だなーと思いました。
私は押し屋さんがお気に入りだったんですが、結局は彼も殺し屋なんですよね。
彼なりの思想があったとしても。

他にも業界の様々な人たちが絶妙に関わってきました。
こんなトコに伏線があったのかーと、最後にびっくりしてみたり(笑)
でも、この物語の中にまっとうな世界の人はいなかったかもしれないと思います。
鈴木だって普通の人だけど、知ってて妙な薬物売りつける仕事してたわけだし・・・。
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2008/06/26 22:11 | 伊坂幸太郎 | Comment (0) Trackback (0) | Top▲
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